こんにちは、ビバエルの代表カウンセラーのオリガです。

毎日色々な症状に困っている女性たちが当院を受診されています。

「なんとなく疲れやすい」
「眠れない」
「気分が沈む」 
ー 更年期に多く聞かれるこうした不調、ホルモンバランスだけが原因だと思っていませんか?

じつは、その背景に「栄養不足」が隠れているケースが、想像以上に多いのです。

先週、私たちがNHKクローズアップ現代の取材でも取り上げられた今注目の研究データと、ビバエルが提案する新しいアプローチについてお伝えします。

現代のオトナ女性は忙しすぎる!

まず、食事の話をする前に、言いたいのは、

仕事・育児・介護・家事 —

現代のオトナ女性は忙しすぎる!

「ごはんを作っている時間がない」「自分のことは後回し」。

そんな声を、私たちも日々の診療の中でたくさん聞きます。

忙しさの中で、朝食を抜く、コンビニのおにぎりだけで済ませる、ストレス解消のお菓子をつまむだけ……。

本人は「ちゃんと食べている」と思っていても、実態は深刻な栄養不足であることが珍しくありません。

更年期に不足しがちな栄養

複数の公的データ(厚労省・国民健康・栄養調査、東大研究)から、特に下記の栄養素が不足しがちと言われています。

カルシウム 40代女性の平均摂取量は約441mg、50代は472mgで、推奨量650mg/日に対して7割程度に止まっています。更年期以降はエストロゲン低下により骨からカルシウムが溶け出しやすくなるため、骨粗鬆症リスクが高まります。12

ビタミンD 40代女性の平均摂取量は5.3μg、50代は5.4μgで、推奨量8.5μgに対して約6割。日本人女性の9割がビタミンD不足とする報告もあるほどで、加齢とともにさらに不足しがちになります。穀類・野菜・肉類には少なく、魚やきのこからの摂取が主な手段です。3

鉄が不足すると、貧血はもちろん、疲れやすさ・めまい・集中力の低下など、更年期症状と見分けがつきにくい様々な不調も引き起こします。ビタミンCは鉄の吸収を、葉酸・ビタミンB12は鉄が正しく働くために、それぞれ欠かせません。これらをセットで意識して摂ることが大切です。

たんぱく質 忙しさや痩せ願望から食事量が減ると、真っ先に不足するのがたんぱく質です。更年期以降も必要量は若い頃とほぼ変わらず、筋肉・肌・骨・脳すべての材料になるため、毎食意識して摂ることが重要です。更年期以降も必要量はほぼ変わらず、更年期以降の女性の場合、最低でも0.8g / 体重 (体重が50kgであれば40g) の摂取が推奨されています。4

また、日本肥満学会は2024年、閉経前女性の低栄養が「糖・脂質の異常」「骨粗しょう症」「貧血」「月経異常」だけでなく、疲労感・不眠・メンタル不調といった不定愁訴にも深く関わっていると発表しました。

この状態は「FUS(Female Underweight/Undernutrition Syndrome:女性の低体重/低栄養症候群)」と名付けられ、医療界でも注目を集めています。5

つまり、更年期症状の多くは「エストロゲンが減ったから仕方ない」で終わらせてはいけないのです。

特に注意が必要なのがたんぱく質。エネルギー必要量は年齢とともに減っても、たんぱく質の必要量は若い頃とほぼ変わりません。

「年を取ったから粗食でいい」は大きな誤解なのです。

サプリメントは使っていいの?

基本的な答えは「食事が主役、サプリは補助」です。

更年期世代の忙しい日々の中で、毎食完璧な栄養バランスを整えるのは難しいのが現実です。

そこで「足りない分をサプリで補う」という考え方は理にかなっています。ただし、いくつか知っておきたいポイントがあります。

まず、サプリメントは特定の栄養素を単体で抽出したものです。野菜や魚などの食材には、まだ解明されていないものを含む無数の微量栄養素が含まれており、それらが複合的に働いて健康を支えています。サプリだけでその働きをすべて再現することはできません。

次に、「お腹がいっぱいにならない」という点が落とし穴になることがあります。サプリは手軽に摂取できるぶん、食べたいという欲求を満たしてくれません。その分お菓子などを食べ過ぎてしまうことがあります。

上手な使い方としては、「食事で不足しやすいと自覚している栄養素を、ピンポイントで補う」が基本です。何が不足しているかわからない場合は、まず食生活を見直すか、専門家に相談することをお勧めします。

今のうちに知っておきたい「更年期以降のリスク」

栄養不足が続くと、その先の10年・20年に深刻な影響を与えることがわかっています。

🫀 心血管疾患リスク 閉経前の女性はエストロゲンの働きにより、同年代の男性に比べて心臓病・動脈硬化のリスクが低く保たれています。しかし閉経後はその保護効果が失われ、心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患の発症リスクが急速に上昇します。閉経後の女性は男性より約10年遅れてリスクが高まる傾向にありますが、その差は年齢とともに縮まります。エストロゲンの低下によりHDL(善玉)コレステロールが減少し、LDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪が増加するため、食事からの脂質バランスや食物繊維の摂取が一層重要になります。6

🦵 筋力低下・フレイルリスク 筋力や筋肉量が減少すると活動量が減り、食欲も落ちて低栄養になり、さらに筋肉が衰えるという悪循環に陥ることがあります。特にたんぱく質とビタミンDの不足は筋力低下に直結するため、「年だから少食でいい」という考え方は危険です。7

🧠 メンタル・認知機能への影響 エストロゲンは脳内で神経保護的な働きをしており、閉経後はアルツハイマー型認知症のリスクが高くなる可能性が指摘されています。また、動脈硬化が進むと脳への血流も低下し、認知症リスクと関連することも明らかになってきました。うつや意欲低下といったメンタルの変化も、ホルモン変化だけでなく栄養不足が関係していることがあります。8

研究が示す「行動栄養学」のアプローチ

「栄養を気をつけた方が良い、でも忙しい日々でそんな時間も気力もない...」

と、もどかしい気持ちになっている人も多いはずです。

そんな現代人のために生まれた「行動栄養学(Behavioral Nutrition)」という考え方があります。

行動栄養学とは、食行動・心理・環境・生活習慣を総合的にとらえ、持続可能な食の変化を支援する学問領域です。(東京大学・佐々木敏教授『行動栄養学とはなにか?』(女子栄養大学出版部、2023))

「何を食べるか」だけでなく、「いつ・誰と・どんな気持ちで・どんな環境で食べるか」まで含めて、初めて栄養は健康に届くという考え方です。

同書では “栄養学を教えても「知識だけがあっても、わかっていてもできない人を増やすだけ」”と指摘されており、食行動を変えるには、「正しい情報」よりも「続けられる仕組み」が鍵だと示されています。

食行動の変容に効果的なアプローチ

国際的な研究レビュー(Bentley et al., 2020)では、食行動の変容に効果的なアプローチとして、

  1. 目標設定
  2. セルフモニタリング
  3. フィードバック
  4. 具体的な方法の提示
    が挙げられています。

これを実践するために、私はいつもこんなことを伝えています。

毎食完璧を目指さない 
→ 1週間単位でバランスを考えることが継続のコツ

「チョイ足し」で手軽に栄養補給 
→ 豆乳・ナッツ・果物など、日常にひとつプラスするだけでOK

欠食をなくす
→ 特に朝食。主食+たんぱく質(肉・魚・卵)を意識する

食事を「楽しむ」習慣に変える
→ 誰かと食べる、好きな時間に食べるなど心理的ハードルを下げる工夫が効果的

食事を「記録・反省」ではなく「計画・楽しみ」に 
→ 来週の食事をあらかじめ想像することで、自然とバランスがとれる

でも、「わかっていても、ひとりでは続かない」—— それが現実ではないでしょうか。

行動栄養学が教えるのは、「意志の問題ではなく、仕組みの問題」だということ。

食行動の変容には、知識の提供だけでなく、継続を支えるフォローアップが不可欠です。

ビバエルでは、栄養・心理・看護の各専門職が連携し、あなたの食行動の「続けられる仕組みづくり」を一緒にサポートしています。

🌿 ご案内

ビバエルでは より継続的・包括的に更年期の症状と向き合いたい方向けの伴走治療プランを提供しています。

セルフマネジメント3ヶ月プラン

医療×行動変容で、更年期を根っこから整える3ヶ月。お薬だけに頼らず、食事・運動・心理状態など日常生活の工夫を通して改善を目指す方へ。
医療とカウンセリングを組み合わせた3ヶ月の伴走型サポートです。

🍀 このプランに含まれるもの
✅ 栄養行動カウンセリング
✅ 心理カウンセリング
✅ 看護カウンセリング
✅ 医師診察
✅ アプリによる日々のフォロー

日々の生活の中にある“体調の波”や“変化のサイン”を丁寧に捉えながら、医療 × 行動変容による改善を目指すプログラムです。

月額 6,600円(税込)/3ヶ月19,800円

「更年期だから仕方ない」で終わりにしない。

食事・運動・睡眠・心理——これらを丁寧に見直すことで、多くの方が「調子が良くなった」と感じています。あなたの体は、今からでも変わることができます。

ご興味のある方は、ぜひビバエルにご相談ください。

  1. 東京大学・習慣的栄養素摂取量の全国規模調査食物繊維・カリウム・たんぱく質不足のデータの根拠: 篠崎奈々, 村上健太郎, 佐々木敏 ほか.「日本人の栄養素摂取量は適切か――8日間秤量食事記録に基づく全国規模調査」Nutrients, 2023, 15(24):5113. DOI: https://doi.org/10.3390/nu15245113 ↩︎
  2. 厚生労働省「令和5年 国民健康・栄養調査報告」(最新版)カルシウム・ビタミンDの直近データ
    厚生労働省.「令和5年 国民健康・栄養調査報告」(令和6年11月公表) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/r5-houkoku_00001.html ↩︎
  3. 厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査報告カルシウム・ビタミンD・鉄・ビタミンB群の摂取量データの根拠厚生労働省.「令和元年 国民健康・栄養調査報告」(令和2年12月公表) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/r1-houkoku_00002.html ↩︎
  4. 厚生労働省. 日本人の食事摂取基準(2025年版)たんぱく質. 2024. https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001316462.pdf ↩︎
  5. 日本肥満学会・FUS(女性の低体重/低栄養症候群)FUSおよびたんぱく質不足と更年期症状の関連の根拠: 本肥満学会 ワーキンググループ(田村好史 副委員長ほか).「閉経前女性の低栄養に関する記者発表」2024年4月 ※学会発表のため直接の論文URLはなし。関連報道として以下を参照: https://tokuteikenshin-hokensidou.jp/news/2024/012804.php ↩︎
  6. *5 Kannel WB, et al. Menopause and Risk of Cardiovascular Disease: The Framingham Study. Ann Intern Med. 1976;85:447–452.https://doi.org/10.7326/0003-4819-85-4-447 ↩︎
  7. Fried LP, et al. Frailty in Older Adults: Evidence for a Phenotype. J Gerontol A Biol Sci Med Sci. 2001;56(3):M146–M156.https://doi.org/10.1093/gerona/56.3.M146 ↩︎
  8. Mosconi L, et al. Systematic review and meta-analysis of the effects of menopause hormone therapy on risk of Alzheimer's disease and dementia. Front Aging Neurosci. 2023;15:1260427.https://doi.org/10.3389/fnagi.2023.1260427 ↩︎