イライラは性格じゃない
適切なケアで穏やかな日常を

イライラは性格ではなく、原因や出方にパターンがあります。
少し整理して分類すると、治療やセルフケアの方向が見えやすくなります。
ホルモンの影響が強いのか、思考やストレスが主かを把握することで、HRT・漢方・カウンセリングなどの選択が明確に。
ご家族や職場との関係構築にもつながります。
自分のイライラの傾向を“見える化”することが、改善の第一歩です。

最近こんな変化を感じていませんか?

  • いつもなら流せることに、怒ってしまう
  • パートナーや子どもに当たり、後で落ち込む・自分を責める
  • 生理前〜2週間ほどイライラが長引く
  • 余裕がなく、反応が過敏になる

なぜ起きるの?

更年期に重なり合う変化が引き起こすイライラの連鎖

イライラは、体・心・生活の要因が重なり合って生じるものです。
まず体の面では、エストロゲンの変動によって神経伝達のバランスが乱れ、怒りやすくなったり集中力が低下したりします。さらに、ホットフラッシュや痛み、浅い睡眠が続くことで、感情をコントロールする力も弱まりやすくなります。
心の面では、「ちゃんとしなければ」「自分が頑張らないと」といった思考が強まり、コントロールできないことまで抱え込んでしまう傾向があります。
生活面では、仕事や家庭、介護などの責任が重なることで“心の余裕の貯金”が減り、些細な刺激にも反応しやすくなります。

ビバエルの治療例

Aさん

お悩み:
日中は、ほてりと発汗があり、些細なことでカッとなる。

治療方針:
ホルモン補充療法(HRT)を行うことで、ほてりやのぼせなどの不快な症状を落ち着かせ、気持ちの揺れやすさを改善。
HRTが難しい場合は、少量の抗うつ薬(SSRI/SNRI)を使用。
漢方薬は、加味逍遥散や抑肝散を、症状に合わせて検討。

経過の目安
HRTの使用から1〜2週目で高ぶりの頻度と強度が低下。4週目で安定化を実感。
※個人差があります

Bさん

お悩み:
仕事と家庭のことを抱え込み、相手に強く当たった後に自己嫌悪する。
イライラと後悔の悪循環。

治療方針:
なぜイライラが始まるのかを見つける。
べき思考の修正や断り方のスクリプト化、自分の気持ちを表現する練習を行う。

経過の目安
2〜4週目で感情が爆発する頻度が低下し、8週目で「後悔の悪循環」の断ち切りを実感。
※個人差があります

Cさん

お悩み:
月経前〜後のイライラが長引き、2週間以上続くことがある。
身体の張りやむくみを伴うことが多い。

治療方針:
ホルモン補充療法(HRT)でホルモンの変動をなくし、イライラの波を小さくする。
漢方(当帰芍薬散、加味逍遥散)や生活習慣(塩分・アルコール控えめ、軽運動)の調整を行い、栄養評価(鉄・ビタミンDなど)も適宜行う。

経過の目安
1〜2サイクルで「期間の短縮」と「ピーク強度の低下」を実感。
※個人差があります

ビバエル専門医のコメント

イライラは更年期のホルモン変動に加え、ストレスや睡眠不足などが重なって現れる複合的な症状です。
治療では、まずホルモン変化が関係しているかを見極め、必要に応じてホルモン補充療法(HRT)を行います。
体質やむくみ、希望によっては漢方を先に用いることもあります。
HRTでホルモンバランスを整えると、気分の波や集中力、睡眠の質が改善し、自然とイライラが軽減することがあります。
さらに、認知行動療法(CBT)やアンガーマネジメントなどを組み合わせることで、根本的な感情コントロール力を育てていきます。

日常ケアのポイント

治療と並行して、生活の中でできる工夫も大切です。
まず「完璧にやらなければ」という思考を緩め、すぐに解決できないことを“手放す”意識を持ちましょう。
睡眠を整え、朝の光を浴びて体内リズムをリセットすることも効果的です。
また、NOと言う練習や、家事・仕事の抱え込みを減らす工夫は、余裕を取り戻す第一歩になります。
栄養不足も感情の波を悪化させるため、バランスの取れた食事を心がけましょう。
小さな「できた」を見つけて自分を褒める習慣も、気分の安定につながります。

オンライン診療だからできること

イライラや感情の波は、人に話すのが難しいテーマです。
オンライン診療なら、周囲を気にせず自分のペースで気持ちを整理できます。
生活状況やストレスの要因を丁寧にヒアリングし、HRT・漢方・心理療法を組み合わせた最適なプランを立てることが可能です。
また、診察間の変化をこまめに共有できるため、薬の調整やセルフケアの見直しもスムーズ。
感情の変化を日記やアプリで記録しながら、医師やカウンセラーと二人三脚でコントロール力を取り戻していきます。