50代になり、突然の体調変化に悩む女性が、心療内科での治療や漢方、そしてホルモン補充療法を取り入れながら、自分に合った治療法を見つけて前向きに改善していった体験を紹介します。
治療法の選択肢や心のケアが、どれほど支えになったのかが綴られています。

50代になり突然訪れた体調の変化
私はこれまで、自分では図太いタイプだと思っていました。でもある日、タクシーの中で突然、動悸と息苦しさに襲われ、パニック状態になってしまいました。その日は上司と相談して仕事を休みにして、自宅にそのまま帰るという経験がありました。
その時をきっかけに、それまで健康で元気だった私が些細なことでビクビクしたり、突然冷や汗をかいたりするようになりました。自分でも何が何だかわからなくて、片っ端から病院を回りました。昔から胃の不調があったので胃腸科へ行ったり、喉のつかえ感もあったので耳鼻咽喉科へ行ったり。
その後一度レディースクリニックにも行きましたが、そこの先生に「これは婦人科というか、心療内科に行ったほうが良いですよ」と言われてしまい、診察もされずに帰りました。
心療内科での治療と拭えない不安
"心療内科" という言葉に最初は重い気持ちになりました。心臓がバクバクする感じもあったので、他の原因を探るため心臓検査まで受けましたが、どの病院でも病気らしい病気は見つかりませんでした。
心療内科で処方された薬で少しずつ症状は落ち着いてきて、「やっぱりそっちなのか…」と思いました。正直、その時は心療内科に通っているということを周りには言えず、一年半ほど通院を続けていました。
もしかして更年期症状なのかもしれないという思いもありましたが、心療内科的な症状との区別がつかず、悩んでいました。実は私には脳動脈瘤で脳神経外科に通院中という事情もあります。さらに更年期ということになれば、薬が増えていくことへの恐怖も大きかったです。
ビバエルをやってみたきっかけ
新聞で女性の更年期についての記事を見つけ、ビバエルを知りました。
一般的な病院のように「傷ができたら皮膚科に行く」とか「頭痛がしたら頭痛外来」といった一つの症状に対応するだけでなく、ビバエルの医療では身体を全体的に診てくれると書いてあって、私もここならいけるかもしれない、と思いました。
更年期だけではなく、その他いろいろな症状もまとめて聞いてもらえるっていうのがすごく安心感に繋がりました。
話せることで納得
正直、最初はオンラインで画面越しの診療に不安もありました。1回目の受診後に薬が届き、2回目の診療の時もまだ少し不安はありました。
ですが、2、3回薬を変えながら、私の症状に合わせて「じゃあ次はこれをやってみましょう」と、一緒に探っていける過程が心強かったです。
もしかしたらその中には自分には効果がなかった薬もあったかもしれませんが、新しい薬を見つけたり、継続するものを決めたりと、話し合いながら選択できることが安心感につながっています。
通常の外来診療だと、他の患者さんが待っているのを見ると、相談したくても「ちょっとここで時間を取るのは厳しいかな、まあいいか」で帰ってきてしまいます。でも、オンライン診療では、自分だけの時間が確保されているので気になることを全て話すことができます。
また私にとってビバエルでの更年期治療があっていたのは、更年期症状と精神的な不調を切り離して考える必要がないと言われたことです。この年代ではメンタルも影響を受けやすいということを教えてもらい、私一人が特別なわけではないと知れたことも大きな支えになっています。
私の更年期ケア 〜漢方治療でスタート〜
あまり薬に頼りたくない気持ちはありましたが、更年期にはホルモン補充療法があるとわかっていたので、正直にそのことを先生と相談しました。
その時は血圧が高くてそのコントロールもまだ落ち着いていなかったので、医師から「ホルモン補充療法は血圧コントロールが出来てからでも良いのでは」と言われました。また自分の気持ちとしても決意できておらず、まずは漢方を飲み始めました。
初診では胃腸症状と更年期症状に対してそれぞれ1種類ずつの合計2種類が処方されました。
漢方で早くも効果が
飲み始めてから2週間で早速効果は感じました。食後のフラフラほとんど気にならなくなり、頭もスッキリし、集中力が上がったと感じました。その後もう一度診察をしてもらい、追加1ヶ月分の処方を出してもらいました。合計で2ヶ月間同じ薬を飲みました。
ただ2ヶ月目に入ってから胃もたれを感じたので、3ヶ月目で胃腸症状の漢方を別のものに変えてもらいました。
そのあとはさらに体調が回復し、体が重いと感じることが無くなり、全体的に体調に不具合を感じることが少なくなったので、同じ漢方薬を3ヶ月分まとめて処方してもらいました。
その後薬がなくなったタイミングと、体調の変化に合わせて受診をし、漢方の種類を調整しながら、8ヶ月ほど漢方薬でビバエルを続けていました。
ホルモン補充療法への迷い
そして8ヶ月目の診察で状況が大きく変わりました。
肌やデリケートゾーンの乾燥に悩んでいたこと、血圧が安定してきたこと、さらに先日受けた心動脈硬化症の検査で72才という結果が出てショックを受けたことをきっかけに、先生からホルモン補充療法の提案を受けました。
乳がん検診受けているなら心配は少ないこと、また肌の潤いや骨粗鬆症の予防にも効果が期待できるとの説明を受けました。
もしホルモン補充療法はやっぱりしたくないのであれば、運動とエクオールをとることを勧めるけどどうします?と聞かれました。
その時はかなり不安な気持ちもあったのですが、「一度始めて合わなければ1ヶ月で辞めても良いんですよ」と言われて、まずは1ヶ月だけやってみることにしました。LINEで何かあればすぐに相談できる体制があることで、挑戦する決心がつきました。
現在の治療状況
それまで飲んでいた漢方2種類とホルモン補充療法のセットで服用を始めました。
1ヶ月経過すると、体のあちこちが痒かったのは少し良くなりました。デリケートゾーンのヒリヒリも収まってきて不快感は良くなりました。
先生からは「心にきく漢方もだしていて、更年期の症状が今は落ち着ているので、ホルモン補充療法で劇的に効果は感じないかもしれません。もう少し漢方薬とホルモン補充療法の組み合わせがいいかもしれない」と言われ、そのまま漢方とホルモン補充療法の両方を継続することにしました。
その後体調が安定して、すごく特別好調というわけでもないですが、逆に困っている不調も感じなくなり、このホルモン補充療法と漢方のセットでずっと続けています。
ずっと辞めたいと思っていた心療内科の薬は徐々に減らしていき、今はもう行っていません。一部の漢方薬はビバエルでの処方に切り替えることができ、心療内科で出してもらうよりも婦人科で出してもらえて精神的にはすごく楽になりました。