喉のつまりや胃の不調に悩まされ、「更年期ではない」と診断された方の体験談です。
オンライン診療とカウンセリングを経て、ホルモン補充療法(HRT)を取り入れ、自分に合った治療法を模索して体調を取り戻していくまでをお話しいただきました。

不安な症状の始まり
喉のつまり感、排卵日前の体調不良...。
最初は違和感を覚える程度でした。
でも調子が悪い時に暴飲暴食をしてしまい、症状は急激に悪化。逆流性食道炎まで発症してしまいました。
食生活が悪かったかもしれないと思いながらも、2周期連続で排卵日前に食欲が大きく落ちることがあり、周期的な体調の変化を感じ始めました。やっぱりこれらの症状はホルモンと関係があるのかもしれないと疑い始めました。
46歳という年齢もあり、更年期という言葉が思い浮かびました。
婦人科では「更年期じゃない」の一言
インターネットで「更年期障害」「自律神経失調症」「のどのつまり感」「機能性ディスペプシア」など、症状に関連するキーワードをたくさん調べました。ですが、無数にある婦人科や精神科の中から、自分に合った医療機関を見つけることは本当に難しく感じられました。
とはいえ、まずは家の近所の婦人科に行こうと思って、最寄り駅近くの婦人科クリニックに行きました。血液検査でホルモン値をまずは測りましょうと言われました。
結果が出るのは2週間後とのことだったので、その日は特に症状のきつかったゲップや胃の不快感に効くとされる漢方薬を処方されました。
2週間後に採血の結果を聞きに行くと、女性ホルモン(エストロゲン値)は正常範囲内だったため、「まだ更年期障害ではなく、PMSかホルモンバランスの乱れが原因だと思う」と医師から説明がありました。
医師の見解としては理解しつつ、こんなに酷い不調がPMSで片付けられるとは思えませんでした。
処方された漢方薬もあまり効果が感じられないと伝えると、別の漢方薬に変更されました。変更する際もあまり説明がなく、今後の症状の変化に対応できないのではないかという不安が残りました。
ビバエルとの出会い
オンライン診療でカウンセリングと診療を組み合わせたサービスを知りました。更年期の経験がある医師と、専門的な知識を持つカウンセラーが、別々の時間で相談に応じてくれるという点が珍しく、興味を持ちました。
先生が更年期学会の学会員ということも、更年期に真面目に向き合ってくれるんだという信頼感にもつながり、更年期特有の症状や不安にじっくりと向き合える機会になると期待しました。
試行錯誤の日々
食事をするとゲップが出て、胃がムカムカする——そんな日々が続き、当たり前だった食事を楽しめないことが大きなストレスになっていました。このままではいけないと思い、まずはビバエルの看護カウンセリングを申し込みました。
カウンセラーからは、年齢的に更年期に差し掛かっている可能性があること、そして漢方やホルモン補充療法(HRT)で改善するかもしれないと説明を受けました。
「体調を良くしたい」という気持ちが強かった私は、可能性があるなら試してみようと決意し、診察を受けることにしました。
私の更年期ケア 〜漢方治療からのスタート〜
最初の診察では、ストレスや胃腸症状に効果があるとされる漢方薬を2種類処方されました。しかし、薬が届いて1ヶ月ほど服用しても、思うような効果は感じられませんでした。実はこの時期、受けた整体が体に合わず、かえって体調が悪化してしまったのです。バランスを崩した結果、心療内科の薬にも一度頼らざるを得ないほどでした。
ホルモン補充療法への切り替え
再度相談したところ、医師からは「ホルモンバランスの乱れが原因かもしれない」とのことで、ピルやホルモン補充療法の周期的投与を提案されました。ただ、当時は月経周期のタイミングが合わず、HRTはすぐに開始できないため、もう少し漢方で様子を見ることになりました。
しかし、その後も体調は改善せず、最終的には抗うつ剤にも頼ることに。ホルモンバランスの乱れによる自律神経の不調を疑い、次の月経周期でHRTを開始することにしました。
少しずつ見えてきた変化
HRTを開始して2ヶ月ほど経つと、不調が徐々に和らぎ、抗うつ剤も少しずつ減らせるようになりました。お腹の調子も回復し、食事への不安も減っていきました。
気づけば、好きなことを楽しむ余裕も戻ってきました。人と会ったり、絵を描いたりできるようになり、HRTを始めて半年ほどで「かなり調子が戻ってきた」と実感できるようになりました。
体調の再悪化と立ち止まる勇気
その後、HRTの方法を「周期投与」から「連続投与」へと変更しました。慣れてくればホルモンの影響がさらに安定すると聞いていたからです。
しかし、この切り替え後、再び体調が悪化。薬を服用すると倦怠感や気持ち悪さが強く出るようになりました。これがHRTの副作用なのかどうか不安でしたが、カウンセラーと医師に相談し、もう少し続けてみることにしました。
それでも体調は回復せず、さまざまな治療を試してきた結果、何が自分に合っているのかわからなくなってしまいました。悩んだ末、医師とカウンセラーと話し合い、「一度HRTを中止してみよう」と決断しました。薬をやめることで、自分の体がどう反応するのかを見極めたかったのです。
すると、薬をやめた後はスッキリとした感覚があり、体調も安定。今はこのまま様子を見ながら過ごしています。
自分の体と向き合うために
複数の医療機関を受診する中で、医師選びが人生においてどれほど重要かを痛感しました。医師も人間であり、最終的に何を信じ、どの治療法を選択するかは自分次第です。
だからこそ、自分が納得できるまでしっかり相談し、説明を受けられる環境が大切だと感じています。迷いながらも、自分の体と向き合い続けることが、何よりの治療だったのかもしれません。