更年期に入り、ひどい肩こりに悩まされることが多くなったのではないでしょうか。

更年期に差し掛かると、体のさまざまな変化に悩まされることが多くなります。その中でも肩こりは、代表的な症状の一つです。肩こりがひどくなると、日常生活にも支障をきたし、疲労感やストレスが溜まってしまいます。

この記事では更年期の肩こりの原因や具体的な改善方法、専門家の選び方まで紹介していますので、辛い更年期症状を和らげたい方はぜひ参考にしてください。

更年期に肩こりがひどいと感じる原因2つ

更年期に肩こりがひどいと感じるのは、ホルモンバランスの変化と、それに伴う自律神経の乱れが原因です。
自律神経は私たちの体の活動を無意識にコントロールしており、身体を緊張状態にしたりリラックス状態にしたりしています。
更年期になると、女性ホルモンを生成する卵巣機能が低下する影響で自律神経にも乱れがでるため、様々な身体の変化が起こるのです。

更年期についてもっと詳しく知りたい方は「更年期とは?」のコラムも参考にしてください。

自律神経の影響

自律神経は私たちの身体を無意識にコントロールしている神経であり、身体を緊張状態にする交感神経とリラックス状態にする副交感神経からなります。
更年期に入りホルモンバランスが変化すると、交感神経優位に自律神経が乱れる傾向にあるため身体が緊張状態になってしまいます。
身体が緊張状態になると肩や首周りの筋肉が凝り固まったり血流不良になったりするため、肩こりが生じやすくなるのです。

ストレスの影響

肩こりがひどく感じる原因にはストレスも関係しています。
更年期はホルモンバランスの乱れによる心身の様々な変化や、生活の変化によりストレスを感じやすい時期です。
ストレスがかかると肩や首の筋肉が緊張し、肩こりが強く感じられることがあります。
リラックスがうまくできないことはストレスの原因となるため、この後紹介するリラックス方法を試してみてください。

その他の原因

更年期である40代後半から50代は、視力の低下が進行する時期でもあります。目の疲れは肩こりの原因となるため、自分に合った眼鏡を使うなど視力の変化に合わせて対策をすることも重要です。

肩こりの症状と更年期との関係の見極め方

更年期の肩こりと一般的な肩こりを完全に分けるのは難しいですが、更年期特有の要因によって肩こりが発生することはあります。
例えば、一般的に40代後半から50代は、更年期に入るだけでなく仕事や家族関係の変化が起こりやすく、身体的・心理的・社会的な要因からストレスを感じやすい時期です。

ストレスの原因が増え身体のリカバリーが追いつかなくなることで、心身の疲労がたまりやすくなります。その結果、元々肩こりがある人は悪化し、今まで肩こりがなかった人はその症状が出てくることがあります。

肩こりが更年期の影響かを見極めるには、他の更年期症状が同時に出ていないかを確認するのが効果的です。他の更年期の症状には主に以下のようなものがあります。

  • ほてり
  • むくみ
  • イライラ
  • 不眠
  • 月経異常

更年期による肩こりの改善方法

更年期症状としての肩こりを改善するためには、生活習慣の見直し、運動、リラックス法など、様々なアプローチが考えられます。

それぞれ詳しく解説しているのでぜひ参考にしてみてください。

生活習慣を整える

更年期症状の改善には、まず生活習慣を整えることが重要です。主に以下のポイントに気を付けて見直してみましょう。

  • 食生活
    バランスの取れた3食の食事を心がけましょう。とくにタンパク質やビタミン、ミネラルを含む食事を積極的にとるようにしましょう。難しい場合はサプリメントで補うのも効果的でしょう。
  • 適度な運動
    運動不足は血行不良の要因となります。軽い運動を習慣にすると血行が促進されるため肩こりの緩和に効果的です。
  • 睡眠
    睡眠は身体の疲労回復のために重要です。質の高い睡眠をとり、更年期症状の改善や予防に役立てましょう。

ヨガやストレッチなどの適度な運動

肩こり解消には、ストレッチやヨガ、ラジオ体操など筋肉をほぐし血行促進が期待できる運動が効果的です。特に、肩を回す動作や腕を上げ下げするストレッチは、肩こりの緩和に役立ちます。

また、ラジオ体操は数分で全身運動を行うことができ、簡単に取り入れられるためおすすめの運動です。

自分に合ったリラックス法を探す

肩こりの原因にあげたストレスの解消には、心身をリラックスさせることが大切です。リラックス法は人それぞれ違うので、自分に合った方法を見つけましょう。例を紹介するので参考にしてみてください。

  • 深呼吸
    深呼吸は一番簡単にできるリラックス法です。自律神経を整え、心身の緊張を和らげる効果をもたらします。
  • マインドフルネス
    定期的なマインドフルネスは、ストレスの軽減や集中力の向上に役立ちます。複雑なことをする必要はなく、まずはお気に入りのお茶やコーヒーを用意して、15分間だけ自分のために時間を取り、その飲み物を楽しむことから始めてみましょう。
  • アロマセラピー
    アロマの香りは、心身をリラックスさせストレスを軽減する効果があります。リラックス効果としてとくに有名なのはラベンダーの香りです。ただし香りには好みがあるため、自分が癒される香りを見つけると良いでしょう。

マッサージや鍼灸

日頃から自宅でできる簡単なマッサージを行ってこりをほぐしたり、入浴の際は湯船につかると血流が促進され、筋肉の緊張がほぐれやすくなります。また、プロのマッサージや鍼灸を受けるのも効果的です。

漢方薬やHRTなどの医学的アプローチ

生活習慣の見直しや運動などのセルフケアで十分に改善できない場合は、漢方薬やホルモン補充療法(HRT)も有効です。

  • ホルモン補充療法(HRT)
    更年期に減少する女性ホルモンのエストロゲンを補う方法です。ホルモン補充療法(HRT)は多くの更年期症状を効果的に緩和し、生活の質を大幅に改善する可能性があります。気分の安定、エネルギーレベルの向上、認知機能の向上などの心理症状への効果も期待できます。ただし、ホルモン補充療法(HRT)はすべての人に適しているわけではありません。適用可能かどうかは、健康状態、年齢、症状によって異なります。更年期医療に詳しい医師と相談し、適切かどうかを判断することが重要です。
  • 漢方薬
    漢方薬は、更年期女性のやる気低下に対して効果が期待されています。ただし、漢方治療を行う場合は、漢方と更年期医療の両方に精通した専門家に、自分に合ったものを処方してもらってください。多くの方にとって漢方は効果的ですが、その効果には個人差があるため、定期的に医師と相談し、経過を見ながら調整することが重要です。

ホルモン補充療法(HRT)や漢方薬については、「【医師が解説】更年期の治療 - ホルモン補充療法(HRT)と漢方薬」で詳しく解説しています。

更年期の肩こりが続くときは何科に相談したらいい?

更年期症状と肩こりが続く場合は、まず婦人科や更年期症状に対応している内科を受診することをおすすめします。更年期特有のホルモンバランスの乱れが心身に影響を及ぼしている場合は、婦人科や内科で適切な治療を受けることで症状の改善が見込まれるためです。

肩こり自体が強い場合は、整形外科で首(頚椎)や肩関節の検査や治療、理学療法などの治療を受けるのも良いでしょう。

肩こりが更年期の影響なのかそうでないのかは、判断が難しいこともあります。しかし、更年期による肩こりは生活習慣の見直しや運動、リラックス法など、様々な方法で改善することができます。症状がひどい場合や、他の症状を伴っている場合は、早めに専門家に相談することが大切です。

更年期の症状は専門家への相談を

更年期の症状や程度には個人差があります。

また、更年期の症状は、放っておくと日常生活に支障を及ぼす更年期障害に発展する可能性が高まります。そのため、適切な対処法やケアをすることで症状を緩和することが重要です。
自己判断で市販薬を使い続けたり、我慢するのではなく、専門医に相談することが大切です。

ビバエルは更年期専門のオンライン・婦人科診療外来です。
これまで数千人の更年期患者を診てきた更年期専門の婦人科医が診察し、更年期に精通した医療従事者が心と体の状態を丁寧にカウンセリングします。

うまく睡眠がとれない、何もやる気が起きない、イライラがひどい。このような症状は、更年期のホルモンバランスの変化によるものかもしれません。どんな些細なことでも大丈夫ですので、ひとりで悩まず、お早めにご相談ください。