※ この記事は沖縄タイムス社『週刊ほ〜むぷらざ』話そう! 女性のカラダのコト
第1789号 2021年11月18日掲載記事を引用しています。
女性のヘルスケアについて、婦人科ドクターの高宮城直子さんと、友人の医学博士、エリセーバ・オリガさんが、女子会トークでレクチャー。今月は「ホットフラッシュ」に代表される更年期症状について、治療法からセルフケア法まで、さまざまな話題をつづります。
ホットフラッシュとは、40〜50代女性に多くみられる、女性ホルモン(エストロゲン)の急激な減少により脳の体温調節中枢が誤作動を起こし、突然のほてり・のぼせ・発汗が起こる更年期の代表症状です。原因は 自律神経の乱れで、実際には熱くないのに「体が暑い」と感じて発汗反応が起こります。1日に数回〜数十回起こることも珍しくなく、日常生活に大きな影響を与えます。
ホットフラッシュの代表的な特徴は 3つ です。
- 突然の発汗・ほてり:顔・首・上半身が急に熱くなる(数分〜10分)
- 寝汗:夜間のホットフラッシュで布団が湿るほど汗をかく
- 冷えのぼせ:手足は冷えるのに顔だけほてる特徴的な症状
対策は ホルモン補充療法(HRT)・漢方薬(加味逍遙散・桂枝茯苓丸等)・生活習慣改善(禁煙・アルコール制限・深呼吸)の組み合わせ。HRT は数週間〜数ヶ月で大幅改善することも多いため、我慢せず医師相談を。本記事では婦人科ドクター・高宮城直子医師とエリセーバ・オリガ医師の対談形式で、ホットフラッシュの原因と対処法をわかりやすく解説します。
ホットフラッシュ 原因は自律神経の乱れ
直子 治療は塗る・張るタイプのホルモン剤や漢方薬、大豆由来のサプリも
オリガ 運動やヨガは1日30分。早く改善したいならホルモン補充療法を

オリガ 更年期の代表的な症状といえばホットフラッシュ。具体的にはどうなる?
直子 急に頭に血が上ったようになって汗がドバーッと出る。頭から顔、首、胸、脇、背中と上半身が多いね。
私は、不調になって46歳で仕事を辞めるまでホットフラッシュになったことがなかったから、更年期じゃないと思ってた。49歳で初めて症状が出てからは今も時々あって、タオルを持ち歩くくらい。「だから40~50代女性は髪を短くしたり、アップにしてるんだ!」って分かった。
オリガ 私も44歳で出て、ようやく不調の原因が更年期だと分かった。でもホルモン補充療法(HRT)を始めたら1週間で治まった。
直子 ホットフラッシュの原因は自律神経の乱れ。自律神経は血管の開閉、心臓の動き、呼吸などを制御しているから、のぼせや発汗だけじゃなく、口の渇き、食欲不振、下痢・便秘、動悸・息切れ、尿漏れ、過活動膀胱と、全身に影響を及ぼすんだよね。患者さんの中には夜寝てる時にホットフラッシュが出て、眠れなくなる人もいる。
オリガ 私は消化が悪くなって、夜はあんまり食べられないし、ワインも飲めない。ストレスがあると下痢もする。でも不思議なことに、楽しい仲間との食事ならワインもいける。楽しいことをするのも、自律神経を整える働きがあるんだよね。
直子 治療には女性ホルモンを補うHRTが有効。効果が出るのが早くて、翌日から眠れたとかホットフラッシュが治まる人もいる。ホルモン剤=注射と思っている人がいるけど、最近は飲み薬だけでなくジェルを塗ったりシールを貼ったり、手軽で安全な治療薬が保険で利用できる。
ただ乳がんだと使えないし副作用で出血する人もいて、漢方薬や大豆由来のサプリメントを勧めてる。
オリガ どう更年期を過ごしたいかにもよるんだけど、ゆっくり改善していきたいならヨガや呼吸法、鍼灸もいいよね。運動は、あらゆる更年期症状に効果的だから、1日30分を目安に始めてみるのもいいかも!
直子 スクワットとか筋トレもいいんだよね。成長ホルモンが出て元気になる。
オリガ 外国では、トイレに行きたくなったら「バイオロジカルブレイク(生物学的休み)」と言って席を立つのが普通。日本でもホットフラッシュで汗だくになったら、我慢しないで「5分待って!着替えてくるから」と言って良いし、メークも必ずしもしなくていいんじゃない?
直子 自律神経の乱れはあらゆる年代に出るけど、閉経前後の更年期は特に出やすい時。自分が心地いい過ごし方を探して、きつい時は我慢せず受診しましょう!
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更年期オンライン 女性のためのマイドクター Vivalle監修医師

たかみやぎなおこ/Naoko女性クリニック院長。1961年、長崎県生まれ。佐賀医大(現佐賀大医学部)卒業後、87年に来県。琉大医学部附属病院や県内の公立、個人病院等で産婦人科医として勤務後、開業。1女2男の母。産婦人科専門医、女性ヘルスケア専門医、更年期に関するメノポーズカウンセラー

えりせーばおりが/沖縄科学技術大学院大学(OIST)アクセラレーター プロジェクトリーダー。1971年、ベラルーシ出身。同国立医科大学卒業後、国立血液研究所医師をへて96年来日。大阪大学医学博士課程を修了後、OIST、理化学研究所にて癌免疫研究。自身の更年期を機に女性の健康に関する研究に着手
沖縄タイムス社『週刊ほ〜むぷらざ』話そう! 女性のカラダのコト
第1789号 2021年11月18日掲載記事を引用しています。
ホットフラッシュに関するよくある質問
Q. ホットフラッシュの原因は何ですか?
A. 主因は 女性ホルモン(エストロゲン)の急激な減少による自律神経の乱れです。実際は熱くないのに脳が「体が暑い」と判断して発汗反応を起こします。喫煙・アルコール・辛い食べ物・ストレスも発症頻度を上げます。
Q. ホットフラッシュはいつまで続く?
A. 個人差はあるものの、多くは 閉経前後の数年間(45〜55歳頃) がピークで、平均 7年程度続くとされます。適切な治療(HRT・漢方)を受けると 1〜3ヶ月で大幅改善することも多いです。
Q. ホットフラッシュを今すぐ止める方法は?
A. 即効セルフケア:(1) 首・脇・手首を冷やす、(2) 4秒吸って8秒吐く深呼吸を1分続ける、(3) 通気性の良い服に着替える、(4) 冷たい水を飲む。多くはこれで数分で落ち着きます。
Q. ホットフラッシュに効く治療は?
A. 代表的な治療は (1) ホルモン補充療法(HRT):最も効果が高い、(2) 漢方薬(加味逍遙散・桂枝茯苓丸・当帰芍薬散)、(3) SSRI/SNRI:HRTが使えない方への選択肢。生活習慣改善(禁煙・アルコール制限・運動)も並行して効果的です。
Q. HRTは安全?副作用は?
A. 適切に管理された HRT は 安全性が高いとされ、ホットフラッシュ・寝汗・気分症状に高い効果があります。副作用として 不正出血・乳房痛・むくみなどがあり得ますが、多くは開始1-3ヶ月で軽減。乳がん・血栓症の既往歴がある方は使えないことも。医師の診察で適応を判断します。
Q. 病院に行くべきタイミングは?
A. 以下のいずれかは受診をおすすめします:(1) 1日数回以上のホットフラッシュで日常生活に支障、(2) 寝汗で不眠になっている、(3) 気分の落ち込み・不安・イライラが併発、(4) セルフケアで改善しない。婦人科・更年期外来で HRT や漢方の相談ができます。オンライン診療なら通院不要で全国対応。