更年期障害とは、閉経へ向けたホルモンバランスの変化によって起こる身体的・精神的な不調のことです。
ほてり・のぼせ・イライラ感・だるさ・めまいなど、人によってあらわれる症状は異なり、生活に支障が出るほどの不調があらわれる方も珍しくありません。
「更年期障害がつらいけれど、どんな治療が行われるのかな」
「どのくらいの費用がかかるのか不安」
このように思っている方もいるのではないでしょうか。
更年期障害の治療には、ホルモン補充療法や漢方薬などがあります。また、保険診療、自由診療の違いやおこなう検査などにより、かかる費用は人により異なります。
この記事では、更年期障害の治療やかかる費用などについてご紹介します。

更年期障害の治療とは
更年期障害の治療は、以下2種類の方法を中心におこないます。
- ホルモン補充療法
- 漢方薬治療
また、自分の状態の把握や、ストレス軽減に役立つ「カウンセリング」で症状が改善する人もいます。各治療法について、順番に説明します。
ホルモン補充療法
「ホルモン補充療法」は、不足した女性ホルモン(エストロゲン)をおぎない、つらい症状をやわらげる治療法です。
気分の変動やイライラ、ほてりやホットフラッシュ、だるさなど、幅広い更年期症状の改善が期待できます。
ホルモンの薬は飲み薬、貼り薬、塗り薬があり、症状や患者さんの希望に応じて薬は決定されます。
ホルモン補充療法については、ホルモン補充療法の効果が出るまで - 効果・やめどきなども解説も参考にしてください。
漢方薬による治療
漢方医学に基づいて、「気の巡り」「血の巡り」「水の巡り」を整えて体調を改善するのが漢方薬による更年期治療です。
代表的な漢方は、「婦人科3大処方」と呼ばれる以下の3種類です。
- 加味逍遙散(かみしょうようさん)
- 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
- 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
その他にもさまざまな漢方から、体調や体質に合う薬が処方されます。
漢方薬による更年期障害の治療については、更年期障害に効く漢方を症状別に紹介!飲むときの注意点は?で詳しく説明しています。ぜひご覧ください。
カウンセリング
更年期は、女性ホルモンの低下による体調変化に加え、家族や仕事などに由来するストレスがかかりやすい時期でもあります。とくに女性は「自分が頑張らなければ」と抱え込み、症状が悪化する方が珍しくありません。
更年期治療のカウンセリングとは、現在の環境や体調に関する悩み、不安などをカウンセラーに話し、状況の整理やアドバイスをおこなうものです。
一般的な診察とは別におこなわれ、落ち着いた環境でじっくりと話をできるのが特徴です。
カウンセリング結果はカウンセラーと医師で共有されます。そのため「医師を前にすると、緊張してうまく話せない」「何が問題なのかもよくわからないので、医師にうまく伝えられない」という問題もありません。
健康上の注意点や、必要な治療がわかるだけでもずいぶんと楽になるものです。まずは気軽に相談してみてはいかがでしょうか。
ビバエルでは、更年期向けに看護カウンセリングをおこなっております。詳しくは、ビバエルの看護カウンセリングを詳しく解説を参考にしてください。
また、更年期の急激な不安感については、更年期に急に不安感に襲われる - その原因と和らげるための対処法 で解説しています。
更年期の治療にかかる費用の目安
更年期の治療は、健康保険を利用するかによって以下の2つに分類できます。
- 保険診療
- 自由診療
ここからはそれぞれの診療方法について、特徴とかかる費用の目安を紹介します。
ただし、実際の金額は診療内容や薬の処方日数などによって異なります。詳しくは、受診を検討する医療機関へご確認ください。
保険診療
保険診療は、国の保険診療制度を利用する一般的な診療スタイルです。保険証による健康保険を利用するため、多くの人は3割負担となります。
初診時の費用の目安は、診察、血液検査、超音波内診を全て合わせて自己負担額が1万円以上になるケースがあります。
おこなう検査が異なるのは、「どこまで調べる必要があるか」に関する考え方が医師ごとに異なるからです。薬や検査にかかる費用は保険で決まっているものの、実際にかかる費用は医療機関によって幅があるといえるでしょう。
また初診の際に血液検査をすると、当日には結果が出ないことが多く、2週間程度経ってから結果を聞きにいく必要があります。
その後検査結果を踏まえてホルモン補充療法などのお薬で治療をする場合は、診察料、処方箋料に加え、薬局で受け取る処方薬で1ヶ月あたり2000〜5,000円の自己負担額となります。
自由診療
自由診療は、保険診療ではカバーできない細やかな悩みに対応するために、各医療機関が独自に設けている診療スタイルです。医療機関ごとに、診療内容や費用はそれぞれ異なります。
更年期障害に対する自由診療の内容と費用の目安は以下のとおりです。
- 更年期カウンセリング:3,000円〜10,000円程度(時間によって変動あり)
- 漢方薬:12,000~30,000円/月以上(薬のタイプや日数による変動が大きい)
街の漢方薬局で購入できる漢方薬は、「煎じ薬(自分で煮だして飲むタイプ)」「粉薬」「丸剤(錠剤)」など、さまざまな種類があります。
また、種類の違いに加えて、市販薬かオーダーメイドブレンドなのかにより、1ヶ月あたりの価格は大きく異なります。
国が決めた枠組みの中で治療をおこなう保険診療に比べて、自由診療は質の高いケアや、一人ひとりの症状・生活状況に合わせた細やかなケアがメリットといえるでしょう。
詳しい価格の例として、ビバエルが提供している自由診療の内容と費用の目安を以下にご紹介します。
| 看護カウンセリング | 看護カウンセリング+医師の診察 | 看護カウンセリング+医師の診察+30日分の処方薬 |
|---|---|---|
| 40分 | 40分+15分 | 40分+15分 |
| 2,990円 | 5,500円 | 11,900円〜(送料込) |
※価格は税込み価格、2回目以降は8,900円〜で実際の価格は処方薬の種類や量によって異なります
詳しい情報は、更年期ケアのプランをご覧ください。受診に際して不安なことがある場合、LINEからお問い合わせも可能です。

更年期の治療と費用に関してよくある質問
更年期の治療と費用に関してよくある、以下の質問にお答えします。
- 更年期障害ではどのような検査をおこないますか?
- 更年期障害の症状に対するセルフケアはどんなものがありますか?
- 更年期障害の治療は何科を受診したらよいですか?
検査やセルフケアなど、細かな点も確認しておきましょう。
更年期障害ではどのような検査をおこないますか?
更年期障害によくおこなわれるのは、以下2つの検査です。
- 血液検査:血中の女性ホルモン値を調べる
- 膣内エコー:子宮内の状態を調べる
検査の目的は「別の重大な病気が隠れていないか」の確認です。更年期の時期にはホルモンの値が乱高下するため、検査だけでは体調不良が更年期障害に当たるかは判断しづらいのが現実です。
また、ホルモンの値だけでなく、職場・家庭の環境やうつ病の有無、貧血などの総合的な状態によって更年期障害の重さは異なります。検査が多いと感じる人は、「なぜこの検査が必要なのか」を医師へ確認してみてください。
更年期障害の症状に対するセルフケアはどんなものがありますか?
更年期障害をやわらげるセルフケアは、「生活習慣の改善」と「ストレス管理」です。体調を整えたいなら、以下の点に気を付けてみましょう。
- バランスの取れた食事
- ストレスを発散させる適度な運動や趣味
- 十分な睡眠を取る
医療機関での治療も大切ですが、自分の生活を見つめ直すことも更年期障害の治療では欠かせません。自分の体調を思い返し、どのようなときに更年期症状がひどくなるかをぜひ考えてみてください。
健康的なライフスタイルについては、更年期ダイエットにおすすめの食事メニューは?避けたいポイントも解説、40~50代の更年期女性におすすめの運動 - 筋トレ・有酸素運動も参考にしてみてください。
更年期障害の治療は何科を受診したらよいですか?
更年期障害の治療は、産婦人科で受けられます。更年期に詳しい医師が所属する医療機関を選ぶと、より充実した治療を受けられるでしょう。
更年期に詳しい医師かを見るには、「日本女性医学学会」「更年期と加齢のヘルスケア学会」「日本女性心身医学会」などの学会に所属しているかを見るのもひとつの方法です。
また、精神的な症状が強い場合は、産婦人科に加えて精神科や心療内科の受診が必要になるケースもあります。自分で医療機関へ足を運ぶのが難しい場合、オンライン診療を検討するのもおすすめです。
更年期の治療と費用は医療機関によって異なる
更年期障害の治療はおもに「ホルモン補充療法」「漢方薬」「カウンセリング」などがおこなわれます。
費用は、健康保険の枠組みで治療をおこなう「保険診療」と、きめ細かな対応ができる「自由診療」で異なります。保険診療の方が安価に治療できるケースが多いのですが、検査の種類が多いと費用が高額になるケースもあります。
治療内容や費用について気になる点は、医療機関へ確認するとよいでしょう。
オンライン診療の活用も
ビバエルでは、更年期専門のオンライン診療サービス(自由診療)を行なっています。
ビバエルのオンライン診療では、まずは看護カウンセリングで、症状を把握しながら、あなただけの状況をゆっくりとお話を聞かせていただきます。その後、更年期専門医が最適な治療プランを提示します。
スマートフォンやパソコンで、ご自宅にいながら専門医に相談できます。
特徴
- 時間や場所を気にせず相談できる
- 専門の医療従事者がじっくり話を聞く
- 症状に合わせたお薬を提案
- 治療を開始したらお薬を自宅に届ける
まずは気軽に相談から
更年期の症状は放っておくと日常生活に影響が出てしまうことも少なくありません。しかし、適切なケアを受ければ、つらい症状は和らげることができます。
私たちの専門医が、あなたの症状や生活スタイルに合わせて、最適な治療法を提案させていただきます。まずは気軽にオンライン診療をお試しください。

