更年期のブレインフォグ(集中力・記憶力の低下)とは、40〜50代女性に多くみられる、女性ホルモン(エストロゲン)の急激な減少により、思考の霧がかかったような感覚・言葉が出てこない・集中が続かない・物忘れが増える状態を指します。
エストロゲンは脳の海馬(記憶)や前頭前野(思考)の働きを支えているため、減少すると認知機能に影響が出ます。実は、更年期女性の約6割が経験するという代表的な症状です。
また、認知症とは異なり、更年期のホルモン変化に伴う一時的な変化とされ、専門的なケアで症状の緩和が期待できます。
ビバエルの更年期オンライン診療では、3つのアプローチでブレインフォグに対応します:
- ホルモン補充療法(HRT):更年期症状を緩和する代表的な治療。認知機能への影響を報告する研究もあります
- 漢方薬:加味帰脾湯・釣藤散など体質に合わせた処方
- 看護カウンセリング:40分の対話で症状の背景を丁寧にヒアリング
「クリアな思考」を取り戻すケア
集中力や記憶力の低下、考えがまとまらない「ブレインフォグ」は、更年期症状の一つです。
「年齢のせい」と我慢し、放置する必要はありません。
原因を専門的に理解し、あなたに合わせた適切な対処法を見つけることで、改善の可能性があります。
一人で悩まず、自分らしい毎日に向けて、専門医とともに整えていきましょう。

更年期専門 高宮城医師のコメント
診察ではまず、
・いつ頃から気になり始めたのか
・一日の中で波があるか
・きちんと眠れているか
・強いストレスが続いていないか
・貧血など体の不調が隠れていないか
といった点を丁寧に確認します。
そのうえで、更年期によるホルモンの変化が影響しているのか、ほかの病気やお薬の影響がないか、不安や気分の落ち込みが関係していないかなど、全体を見ながら判断します。
治療では、必要に応じてホルモン補充療法(HRT)や漢方薬などを使いながら、敏感になっている脳と体を少しずつ落ち着かせていきます。
また、集中力が落ちている時期は、「今まで通り頑張る」よりも、「頑張り方を変える」ことも大切です。「もう元の自分に戻れないのでは」と不安になる必要はありません。今の状態に合ったケアを選ぶことで、症状の緩和が期待できます。

最近こんな変化を感じていませんか?
- 会話中に言葉が出てこなくなる
- 何をしようとしたか忘れてしまう
- 本を読んでも頭に入りにくい
- 物事に集中しづらくなった
なぜ起きるの?
更年期に感じる「頭に霧がかかったような感覚(ブレインフォグ)」や集中力の低下には、大きく分けて3つの原因が関係しています。
- 脳を支えていた「守り神」の減少
女性ホルモン(エストロゲン)は、実は脳の中でも大切な役割を担っています。記憶力を司る場所を活性化させたり、情報の伝達をスムーズにしたりと、いわば「脳のコンディションを整える守り神」のような存在です。更年期にこのホルモンが急激に減ることで、脳のネットワークが一時的に不安定になり、認知機能の鈍化を感じやすくなります。 - ストレスによる脳へのダメージ
過度なストレスが長く続くと、脳内では「コルチゾール」というストレスホルモンが増え続けます。これが過剰になると、記憶を司る「海馬(かいば)」という部分にダメージを与えたり、脳の柔軟性を奪ってしまったりすることがあります。更年期世代は仕事や家庭での責任が重く、このストレスの影響をより強く受けやすい時期でもあります。 - 脳の「血流低下」と「栄養不足」
脳がスムーズに働くためには、十分な酸素と栄養が必要です。- 血流の低下: 自律神経の乱れから血行が悪くなると、脳に必要なエネルギーが届きにくくなります。
- 栄養の枯渇: 神経の修復に欠かせない「ビタミンB群」や、脳の構成成分である「オメガ3脂肪酸」、ダメージを防ぐ「抗酸化物質」が不足すると、情報の受け渡しに支障をきたします。
利用者の声
多くのオフィスワーカーが仕事中の「思考のもや」に悩んでいた
集中力の低下や「考えがまとまらない」といった訴えでご相談の方の多くは、会社員として働くオフィスワーカーの方々です。
文章を読んだり、資料やマニュアルを作成したりと、日々高度な認知処理を求められる仕事をしています。
以前は難なくこなせていた業務に時間がかかる、言葉が出てこない、ケアレスミスが増える。そんな変化に不安を感じて受診されます。
ブレインフォグは気のせいではなく、ホルモン変化や自律神経の乱れによって脳の働きが一時的に鈍くなる状態。
仕事を続けながら、専門的なケアで症状の緩和が期待できます。

当院の治療例
Aさん
お悩み:
仕事中に集中力が続かず、タスクの量が多いとイライラすることがありました。その一方で「どうしてあんな態度をとってしまったのか」と反省することも増え、情緒が不安定な状態でした。
治療方針:
問診では、集中力の低下がいつ頃から始まったか、月経周期との関係、睡眠の状態、日常のストレスレベルなどを確認しました。他院での血液検査結果をご持参いただき、その数値をもとにホルモンバランスの急激な変化による自律神経の乱れが主な原因と判断しました。ホルモン補充療法(ジェル経皮投与)を開始し、イライラや神経の高ぶりを鎮める漢方(抑肝散加陳皮半夏)を合わせて処方しました。
診療の進め方:
継続的な診療を通じて、ご自身の状態を客観的に捉える視点を一緒に育てていきます。ご本人が「今は体調のケアを優先する時期」と自認できるようになると、職場や家庭でも状況を伝えやすくなります。生活のリズムやペースを見直しながら、体調と向き合う方法を一緒に探していきます。
※個人差があります

Bさん
お悩み:
常に体が重だるく、仕事に集中できない状態が続いていた。
当初は「転職による環境変化のストレス」と考えていたが、月経周期に合わせて症状が悪化することに気づき、更年期を疑い受診。
治療方針:
更年期症状に加えて「長年の潜在的な鉄欠乏(貧血)」と「栄養不足」の所見が見られた。
減少した女性ホルモンを補填するために、ホルモン補充療法を処方。それに加えて栄養不足を解消するための鉄剤の処方と、根本的な食事改善が必要なため栄養指導カウンセリングを実施。
診療の進め方:
栄養状態の改善は時間をかけて進めていく必要があります。診療を通じて栄養素の充足度・症状の変化を確認しながら、食事の見直しや治療内容の調整を続けていきます。
※個人差があります

日常ケアのポイント
ウォーキングや軽いストレッチなどの有酸素運動は、血流を促し脳への酸素と栄養を届けます。
深い呼吸や瞑想は、副交感神経を優位にして脳の緊張をゆるめ、思考をクリアに導きます。
毎日10〜20分でも、体を動かす・呼吸を整える時間をつくることで、自律神経とホルモンバランスを整える一助となります。
オンライン診療だからできること
病院の待合室や診察室では、つい「早く話さなきゃ」と焦ってしまう方も多いかもしれません。しかし、当院のオンライン診療は、一人ひとりの背景に深く向き合うための場所です。
仕事や家庭と体調の板挟みによるストレスなど、診察室ではこぼれ落ちてしまうような日々の「働き方」「ライフスタイル」についてもじっくりお聞かせください。もし考えがまとまっていなくても、カウンセラーが丁寧に耳を傾け、言葉にならない不安を一緒に整理していきます。
これまで積み重ねてきたものを、今の不調を理由に諦める必要はありません。画面越しにじっくりと時間をかけ、心身の土台を整えるプロセスを、中長期的な視点で一緒に組み立てていきます。
更年期の症状、通院しなくても相談できます
オンライン完結・全国対応。初回40分、専門医療者が丁寧にお話を聞きます。
更年期のブレインフォグに関するよくある質問
Q. 更年期で集中力・記憶力が落ちるのはなぜ?
A. 女性ホルモン(エストロゲン)の急激な減少が主因です。エストロゲンは脳の 海馬(記憶を司る領域)と前頭前野(思考・判断) の働きを支えているため、減少すると 集中力低下・物忘れ・言葉が出てこない・頭の霧がかかった感覚(ブレインフォグ) が起こります。
Q. 更年期の物忘れと認知症の違いは?
A. 大きな違いは (1) 自覚の有無:更年期は「忘れっぽくなった」と本人が気づく/認知症は自覚が薄い、(2) 進行の速さ:更年期は波がある/認知症は徐々に進行、(3) 日常への影響:更年期は名前・単語を思い出せない程度/認知症は道に迷う・日付が分からないです。心配な場合は物忘れ外来や神経内科で検査を。
Q. ブレインフォグはいつまで続きますか?
A. 個人差はあるものの、閉経前後の数年間(45〜55歳頃)がピークで、閉経後ホルモン値が安定してくると徐々に落ち着いていくとされています。HRT は閉経前後の症状に有効とされ、早期に開始すると軽減が期待できるという報告もあります。症状が続く場合は、婦人科や更年期外来にご相談ください。
Q. 更年期のブレインフォグにはどんな治療の選択肢がありますか?
A. HRT は更年期のホルモン変化に伴う症状の緩和や QOL の改善に有効とされています。閉経後10年未満・60歳未満で開始すると症状の軽減や心疾患リスク軽減が期待できるという報告もあります。個々の症状・体質・希望に応じて、専門医と相談のうえで判断します。
Q. セルフケアでできることは?
A. 以下のような一般的な生活習慣が推奨されています:(1) 週3-4回の有酸素運動(脳血流を促す)、(2) 質の良い睡眠(7-8時間)、(3) DHA/EPA・ビタミンB群・鉄分の摂取、(4) 学習・パズル・読書で脳を使う、(5) 人と話す機会を持つ。マルチタスクを減らして「1つずつ」に集中するのもストレス軽減に役立つとされています。
Q. 病院に行くべきサインは?
A. 以下のいずれかは受診をおすすめします:(1) 症状が3ヶ月以上続く、(2) 仕事・家事に支障が出ている、(3) 道に迷う・約束を忘れるなど日常機能に問題、(4) 気分の落ち込みや不眠を伴う。婦人科・更年期外来でホルモン検査を、認知症が疑わしい場合は物忘れ外来・神経内科の受診を。

高宮城 直子 MD(産婦人科専門医)
産婦人科専門医・女性ヘルスケア専門医・メノポーズカウンセラー。佐賀医科大学(現佐賀大学医学部)卒業。同大学産婦人科教室入局後、琉球大学医学部産婦人科学教室、糸数病院・ウイメンズクリニック糸数勤務、米国コーネル大学医学部生殖医学センターへ留学。2010年、Naoko女性クリニック開業。2022年、ビバエル(HerLifeLab株式会社)を共同創業。メディカルアドバイザーとして、科学的根拠に基づいた更年期医療の普及に取り組む。
【経歴】
1986年 佐賀医科大学(現:佐賀大学医学部)卒業、同大学産婦人科学教室入局
1987年 琉球大学医学部産婦人科学教室入局
1990年 同大学医学部産婦人科学教室助手
1992年〜2008年 糸数病院・ウイメンズクリニック糸数勤務
1995年〜1996年 米国コーネル大学医学部生殖医学センター留学
2010年 Naoko女性クリニック開業
2022年 HerLifeLab株式会社(ビバエル)共同創業
【認定資格】
産婦人科専門医
日本女性医学学会認定 女性ヘルスケア専門医
更年期と加齢のヘルスケア学会 九州世話人 およびメノポーズカウンセラー
女性ヘルスケアアドバイザー
女性医療ネットワーク 理事
日本女性財団 共同発起人・理事・フェムシップドクター