「いつもなら流せることに怒ってしまう」「パートナーや子どもに当たって、後で自己嫌悪」「余裕がなくて、些細なことに反応してしまう」「生理前〜数週間、イライラが長引く」——40〜50代の女性から、こうしたご相談を多くいただきます。
実はこのイライラや感情の波は、更年期女性の多くが経験する代表的な症状の一つ。女性ホルモン(エストロゲン)の変動が、情動や自律神経を司る脳のバランスに影響し、感情のコントロールが難しくなることで起こります。「性格」の問題ではなく、ホルモン変化による生理的な反応です。一人で抱え込まず、専門医のサポートを受けることで症状の緩和が期待できます。
ビバエルの更年期オンライン診療では、4つのアプローチで「イライラ」に対応します:
- ホルモン補充療法(HRT):エストロゲンを補い、更年期の気分の落ち込み・睡眠の質の変化・イライラの緩和が期待できる代表的な治療
- 漢方薬:加味逍遙散・抑肝散・抑肝散加陳皮半夏など、体質と情動のバランスに合わせた処方で、ゆらがない体質へ
- 栄養行動療法:ビバエル独自の「栄養行動学(Behavioral Nutrition)」プログラム。食事記録アプリ + 月1回50分のフィードバックセッションで、鉄・タンパク質・ビタミンD などの気分に関わる栄養を整える(鉄不足はイライラを悪化させる要因)
- 看護カウンセリング(CBT + アンガーマネジメント):認知行動療法(CBT)に基づく40分の対話で、「べき思考」(自分がやらなければ・完璧にしなければ)の整理、アンガーマネジメントの技法まで一緒に練習
更年期専門 高宮城直子医師のコメント
更年期のイライラは、ホルモン変動に加え、ストレスや睡眠不足、栄養不足などが重なって現れる複合的な症状です。「性格が悪くなった」「感情のコントロールができない自分が情けない」と自分を責めてしまう方が多いのですが、ホルモン変化による生理的な反応であり、専門的なケアで緩和が期待できます。
診察ではまず、イライラがいつ頃から始まったか、月経周期との関係、日中と夜間の頻度、日常生活への影響度、家族関係・仕事のストレスを丁寧に確認します。あわせて、甲状腺機能亢進症、鉄欠乏、睡眠時無呼吸症候群、PMS・PMDD(月経前不快気分障害)などが背景に隠れていないかも見極めます。
治療は原因に合わせて行います。HRT でホルモンバランスを整えると、気分の波・集中力・睡眠の質の改善が期待でき、自然とイライラが軽減することがあります。体質やむくみ、希望によっては漢方(加味逍遙散・抑肝散)を先に用いることもあります。症状が強く日常生活に大きく支障をきたす場合や、気分の落ち込みが強い場合は、精神科・心療内科との連携も検討します。さらに、認知行動療法(CBT)やアンガーマネジメントを組み合わせることで、根本的な感情コントロールの技法を一緒に育てていきます。
更年期のケアは、薬だけで終わりません。栄養・生活・心の状態まで一緒に整えることで、症状の緩和が期待できます。ビバエルでは、医師と看護カウンセラーが2職種で連携し、"あなた全部"を診る診療を目指しています。
最近こんな変化を感じていませんか?
- いつもなら流せることに、怒ってしまう
- パートナーや子どもに強く当たった後、自己嫌悪する
- 生理前〜2週間ほどイライラが長引く
- 余裕がなく、反応が過敏になる
- 些細な音・匂い・言葉に反応してしまう
- ほてり・のぼせと一緒にカッとなる
- 怒りが収まった後、深く落ち込む
なぜ起きるの?
更年期のイライラには、いくつかの要因が絡み合って関係しています。
- 脳内の「情動バランス」の乱れ
女性ホルモン(エストロゲン)は、脳内でセロトニン・GABA(気持ちを落ち着かせる神経伝達物質)の働きを支える役割を担っています。更年期にエストロゲンが減少すると、これらのバランスが崩れ、些細な刺激にも反応しやすくなり、怒りや衝動を抑えにくくなります。 - ホットフラッシュ・睡眠不足の連鎖
ホットフラッシュや夜間の中途覚醒で睡眠が浅くなると、感情をコントロールする前頭前野の働きが低下します。この状態が続くと「わかっているのに抑えられない」というイライラのパターンが起こりやすくなります。 - 「べき思考」による自己プレッシャー
「自分がやらなければ」「完璧にしなければ」「弱音を吐いてはいけない」といった思考の癖が、心の余裕を削り、些細なことにも反応しやすくします。長年真面目に頑張ってきた方ほど、このパターンが強く出やすい傾向があります。 - 更年期世代の「見えない負担」
40〜50代は仕事の責任・子育て・親の介護など、心身への負担が重なりやすい時期。役割の境界線が曖昧になり、「心の余裕の貯金」が減っていきます。 - 隠れた「体の不調」が背景にあるケースも
甲状腺機能亢進症、鉄欠乏、ビタミンD不足、睡眠時無呼吸症候群、PMS・PMDD などが背景にある場合、更年期以外の要因がイライラを強めていることも。血液検査などでの確認が診療の中で行われます。
利用者の声
「性格が変わってしまった」「家族に強く当たった後の自己嫌悪がつらい」でご相談いただく方の多くは、これまで真面目に仕事・家庭を切り盛りしてきた方々です。「イライラで病院に行くのは大袈裟かも」「性格の問題だから治らないかも」と、受診に一歩踏み出せない時期を経験されている方も少なくありません。
ビバエルの受診者アンケートでは、更年期女性の約5割が「イライラ・怒りっぽさ」を訴えています。イライラは家族関係・職場関係にも影響しやすく、症状が強いと自己嫌悪や罪悪感が積み重なる悪循環に陥ることも。「性格の問題ではなくホルモン変化」という視点を持つだけでも、心が軽くなる方が多くいらっしゃいます。
当院の治療例
Aさん
お悩み:
日中はほてりと発汗があり、些細なことでカッとなってしまうことが続いていました。
治療方針:
問診では、イライラがいつ頃から始まり、月経周期のどのタイミングで強まるかを確認しました。他院での血液検査結果をご持参いただき、その数値をもとにホルモン低下がほてりや気分の波に影響していると判断しました。ホルモン補充療法(HRT)によりほてりやのぼせなどの不快な症状の緩和を図りました。漢方薬については、加味逍遙散や抑肝散を症状に合わせて検討しました。
診療の進め方:
継続的な診療を通じて症状の変化を確認しながら、HRT・漢方の調整を行っていきます。
※症状の程度・治療の反応には個人差があります。
Bさん
お悩み:
仕事と家庭のことを抱え込み、相手に強く当たってしまった後に自己嫌悪するという悪循環が続いていました。
治療方針:
問診では、どのような状況でイライラが爆発しやすいか、それが月経周期と連動しているかどうかを丁寧に確認しました。イライラの背景に「べき思考」(「自分がやらなければ」「完璧にしなければ」)が強くある場合、認知行動療法的なアプローチが有効です。断り方のスクリプト化や、自分の気持ちを適切に表現する練習を一緒に行いました。
診療の進め方:
継続的なカウンセリングを通じて、CBT・アンガーマネジメントの技法を日常に定着させていきます。「後悔の悪循環」を断ち切るための思考パターンの整理を、時間をかけて一緒に取り組みます。
※症状の程度・治療の反応には個人差があります。
Cさん
お悩み:
月経前後のイライラが長引き、2週間以上続くことがありました。身体の張りやむくみを伴う状態でした。
治療方針:
問診では、イライラが月経周期のどのタイミングで始まり、どのくらいの期間続くかを確認しました。ホルモン補充療法(HRT)によりホルモンの変動を安定させるアプローチを取りました。漢方(当帰芍薬散、加味逍遙散)や生活習慣(塩分・アルコール控えめ、軽い運動)の調整も合わせて行いました。また、月経が長引いていることや疲労感の訴えから鉄不足が疑われたため、栄養評価を実施。他院での血液検査結果をご持参いただき、その数値をもとに鉄・ビタミンDの不足を確認し、必要に応じて補充を行いました。鉄不足は気分の波やイライラを悪化させる要因になるため、栄養面からのアプローチも治療の一部として位置づけています。
診療の進め方:
継続的な診療を通じて症状の変化を確認しながら、HRT・漢方・鉄剤・食事指導を組み合わせ、必要な調整を行っていきます。栄養行動療法で食生活の土台も一緒に整えていきます。
※症状の程度・治療の反応には個人差があります。
なぜ、薬だけでは足りないのか
「イライラ」の背景には、ホルモンの変化だけでなく、思考の癖、生活の負担のかかり方、栄養状態、睡眠の質など、いくつもの要因が重なっています。
ホルモンのゆらぎには、お薬が届きます。しかし、「べき思考」や役割の抱え込み、栄養不足には、お薬だけでは届きません。だから、薬を使っていても「なんとなくイライラが残る」「後悔の悪循環から抜け出せない」ということが起こりやすいのです。
ビバエルでは、薬に加えて、食事・生活・心まで含めた"あなた全部"を診ることを大切にしています。栄養行動療法で気分に関わる栄養(鉄・ビタミンD・タンパク質)を整え、CBTとアンガーマネジメントで思考の癖・感情の表現方法を一緒に整えていきます。
日常ケアのポイント
毎日の生活の中でできるケアは、症状の緩和と予防に役立ちます。無理のない範囲で少しずつ取り入れてみましょう。
- 「べき思考」を緩める:「〜しなければ」を「〜できたらいい」に置き換える練習。すぐに解決できないことを「手放す」意識も大切
- NOと言う練習:家事・仕事の抱え込みを減らす。断り方のフレーズを事前に用意しておくと、いざという時に使いやすい
- 睡眠と朝の光:睡眠を整え、起床後15分以内に朝日を浴びる。体内リズムのリセットは気分の安定に直結
- 鉄・タンパク質・ビタミンD を意識した食事:栄養不足は気分の波を悪化させます。特に鉄・ビタミンD の血中濃度は要確認
- カフェイン・アルコールを控えめに:どちらもイライラを増強し、睡眠の質を下げます
- 「6秒ルール」:カッとなった瞬間、6秒だけ深呼吸で待つ。この間に脳が「反応」から「対応」に切り替わります
- 小さな「できた」を見つける:完璧を求めず、日々の小さな成功を認めて自分を褒める習慣が、気分の安定につながります
オンライン診療だからこそできること
イライラや感情の波は、人に話すのが難しいテーマです。「病院で相談するほどでもない」「性格の問題として片付けられそう」——そんな気持ちを抱える方も多くいらっしゃいます。当院のオンライン診療は、こうした「相談のハードルが高い」感情の問題にこそ向き合うための場所です。
ご自宅の落ち着ける環境から、看護カウンセラーとじっくりお話しいただけます。40分の対話の中で、認知行動療法(CBT)・アンガーマネジメントに基づき、思考の癖・感情の表現方法・生活の負担の整理まで一緒に整えていきます。専門医と連携しながら、必要に応じて漢方・HRT・SSRI/SNRI の処方も検討します。感情の変化を日記やアプリで記録しながら、医師とカウンセラーが二人三脚で伴走していきます。
また、LINE無料相談から気軽にご相談いただけます。「今日、また当たってしまった」というタイミングで、まずは話してみることで、次の一歩が見えてくることがあります。「性格を変える」のではなく、「余裕を取り戻す」ための道筋を、中長期的な視点で一緒に組み立てていきます。
イライラは性格じゃない、適切なケアで穏やかな日常を
イライラは性格ではなく、原因や出方にパターンがあります。少し整理して分類すると、治療やセルフケアの方向が見えやすくなります。ホルモンの影響が強いのか、思考やストレスが主かを把握することで、HRT・漢方・カウンセリングなどの選択が明確に。
ご家族や職場との関係構築にもつながります。自分のイライラの傾向を"見える化"することが、改善の第一歩です。ビバエルは、ホルモン治療・漢方・栄養行動療法・CBT ベースのカウンセリングを組み合わせた、あなた専用のケアプランをご提案します。医師と看護カウンセラーが2職種で連携し、体・生活習慣・思考の癖まで、一緒に整えていきます。
更年期の症状、通院しなくても相談できます
オンライン完結・全国対応。初回40分、専門医療者が丁寧にお話を聞きます。
更年期のイライラに関するよくある質問
Q. 更年期のイライラと、PMS・PMDD の違いは?
A. 大きな違いは(1)タイミング:PMS/PMDD は月経前1〜2週間に集中して起こり、月経開始と同時に症状が改善/更年期のイライラは月経周期と関係なく持続することが多い、(2)年齢:PMDD は20〜40代に多く/更年期は40〜50代、(3)他の症状:更年期はホットフラッシュ・寝汗・月経の乱れを伴うのが特徴。両方併発することもあります。診察で月経周期との関係性を丁寧に確認しながら、原因を見極めていきます。
Q. HRT でイライラは改善しますか?
A. HRT は更年期のホルモン変化に伴う気分の落ち込み・睡眠の質の変化・イライラの緩和に有効とされています。エストロゲンは脳内のセロトニン・GABA の働きに関わるため、補うことで情動バランスの整えが期待できます。特にほてり・寝汗など他の更年期症状を伴う場合、HRT により睡眠の質が改善し、間接的にイライラも軽減することがあります。効果は個人差があるため、専門医と相談のうえで判断します。
Q. 家族に当たってしまうことで自己嫌悪です。どう向き合えばいい?
A. 「性格が悪い」「母親失格」と自分を責める必要はありません。更年期のイライラは、ホルモン変化による生理的な反応であり、脳が「対応モード」から「反応モード」に切り替わってしまうことで起こります。認知行動療法(CBT)・アンガーマネジメントでは、(1)カッとなった瞬間の「6秒ルール」で反応を止める練習、(2)「べき思考」を緩める練習、(3)家族に「今、余裕がない」と早めに伝える練習など、実践的な技法を一緒に習得していきます。「自分を責めるより、仕組みを整える」ことで、悪循環から抜け出しやすくなります。
Q. セルフケアでできることは?
A. 以下のような一般的な生活習慣が推奨されています:(1)「6秒ルール」で反応を止める、(2)「べき思考」を緩める、(3)NOと言う練習、(4)睡眠と朝の光でリズムを整える、(5)鉄・ビタミンD・タンパク質を意識した食事、(6)カフェイン・アルコールを控えめに、(7)小さな「できた」を見つける習慣。マインドフルネス瞑想や、感情日記を書くこと(アプリでも可)も、パターンの見える化に役立ちます。
Q. 病院に行くべきサインは?
A. 以下のいずれかは受診をおすすめします:(1)イライラが2週間以上続き、日常生活・仕事・家族関係に支障が出ている、(2)ホットフラッシュ・寝汗などの更年期症状を伴う、(3)自己嫌悪や罪悪感が強く、気分の落ち込み・希死念慮がある、(4)家族に対して手が出そうになる、(5)月経周期と連動して2週間以上イライラが続く(PMDD の可能性)。婦人科・更年期外来でホルモン評価を、症状が強い場合は精神科・心療内科の併走を検討してください。

高宮城 直子 MD(産婦人科専門医)
産婦人科専門医・女性ヘルスケア専門医・メノポーズカウンセラー。佐賀医科大学(現佐賀大学医学部)卒業。同大学産婦人科教室入局後、琉球大学医学部産婦人科学教室、糸数病院・ウイメンズクリニック糸数勤務、米国コーネル大学医学部生殖医学センターへ留学。2010年、Naoko女性クリニック開業。2022年、ビバエル(HerLifeLab株式会社)を共同創業。メディカルアドバイザーとして、科学的根拠に基づいた更年期医療の普及に取り組む。
【経歴】
1986年 佐賀医科大学(現:佐賀大学医学部)卒業、同大学産婦人科学教室入局
1987年 琉球大学医学部産婦人科学教室入局
1990年 同大学医学部産婦人科学教室助手
1992年〜2008年 糸数病院・ウイメンズクリニック糸数勤務
1995年〜1996年 米国コーネル大学医学部生殖医学センター留学
2010年 Naoko女性クリニック開業
2022年 HerLifeLab株式会社(ビバエル)共同創業
【認定資格】
産婦人科専門医
日本女性医学学会認定 女性ヘルスケア専門医
更年期と加齢のヘルスケア学会 九州世話人 およびメノポーズカウンセラー
女性ヘルスケアアドバイザー
女性医療ネットワーク 理事
日本女性財団 共同発起人・理事・フェムシップドクター