「以前は平気だったものが食べられなくなった」「食後に胃がもたれる」「急に吐き気が来る」「食欲が湧かない日が続く」——40〜50代の女性から、こうしたご相談を多くいただきます。
実はこの胃もたれ・吐き気・食欲不振などの消化器の不調は、更年期女性の多くが経験する代表的な症状の一つ。女性ホルモン(エストロゲン)の減少が自律神経のバランスを崩し、胃腸の動き(蠕動運動)や消化液の分泌に影響を及ぼすことで起こります。「気のせい」「年齢のせいで胃腸が弱くなった」と諦めるものではなく、ホルモン変化による生理的な反応です。一人で抱え込まず、専門医のサポートを受けることで症状の緩和が期待できます。
ビバエルの更年期オンライン診療では、5つのアプローチで「胃もたれ・吐き気」に対応します:
- ホルモン補充療法(HRT):エストロゲンを補い、自律神経のバランスを整えることで、消化器症状の緩和が期待できる代表的な治療
- 漢方薬:六君子湯・半夏瀉心湯・安中散・胃苓湯・半夏厚朴湯など、症状パターンと体質に合わせた処方で、胃腸と自律神経を同時に整える
- 栄養行動療法:ビバエル独自の「栄養行動学(Behavioral Nutrition)」プログラム。食事記録アプリ + 月1回50分のフィードバックセッションで、消化に負担の少ない食事内容・食べ方・タイミングを一緒に整える
- 看護カウンセリング:認知行動療法(CBT)に基づく40分の対話で、ストレスと消化器症状のつながり、食に対する不安や予期不安まで丁寧に伴走
- 整腸剤・消化管運動改善薬:症状に応じて、整腸剤(ビフィズス菌・乳酸菌)や消化管運動改善薬を短期・適宜処方。胃腸の機能を直接サポートし、腸内環境を整えます
更年期専門 高宮城直子医師のコメント
更年期の胃もたれ・吐き気・食欲不振は、単なる「胃腸の老化」ではありません。女性ホルモンは自律神経に深く関わり、胃腸の動きや消化液の分泌を調整しているため、更年期にホルモンが変動すると消化器症状が現れやすくなります。「気のせい」や「精神的なもの」と片付けられがちですが、明確なメカニズムがある症状です。
診察ではまず、症状のパターン(食前・食後・空腹時・特定の食物との関連)、月経周期との関連、ホットフラッシュや不安との連鎖、日常生活への影響度を丁寧に確認します。あわせて、機能性ディスペプシア(機能性胃腸症)、逆流性食道炎、ピロリ菌感染、甲状腺機能の異常、うつ・不安症などが背景に隠れていないかも見極めます。
治療は原因に合わせて行います。HRT は自律神経のバランスを整えることで、消化器症状の緩和が期待できる治療の一つです。体質やストレスの関与によっては、漢方薬(胃の動きを整えるもの+自律神経を落ち着かせるもの)を組み合わせることも多くあります。症状が長引く場合は、消化器内科での内視鏡検査など、他科との連携も検討します。
更年期のケアは、薬だけで終わりません。栄養・生活・心の状態まで一緒に整えることで、症状の緩和が期待できます。ビバエルでは、医師と看護カウンセラーが2職種で連携し、"あなた全部"を診る診療を目指しています。
最近こんな変化を感じていませんか?
- 食後に胃のむかつきや重さを感じる
- 少量の食事でも満腹感が強い
- 吐き気を感じやすくなる
- 胃の不快感によって食欲が低下する
- 胃の張りや違和感を伴うことも
- 以前は平気だったものが食べられなくなった
- ホットフラッシュと同時に吐き気が来る
なぜ起きるの?
更年期の消化器症状には、いくつかの要因が絡み合って関係しています。
- ホルモン減少による「自律神経」の乱れ
女性ホルモン(エストロゲン)は自律神経の働きに深く関わっています。エストロゲンが減少すると、胃腸の動きを司る自律神経のバランスが崩れ、胃の動きが鈍くなったり、逆に過敏になったりします。 - 「脳腸相関」による感情と胃腸のつながり
脳と腸は迷走神経・ホルモン・免疫を介して深くつながっており、「脳腸相関」と呼ばれます。更年期のストレス・不安・気分の落ち込みは、直接的に胃腸の動きに影響し、吐き気や胃もたれとして現れやすくなります。 - ホットフラッシュと連動する自律神経の過敏化
ホットフラッシュや動悸と同時に吐き気が起こるケースがあります。これは、体温調節の乱れが自律神経全体の過敏化を招くため。「熱くなると気持ち悪くなる」というパターンは、この連鎖の典型です。 - 食生活・生活リズムの変化
更年期世代は仕事・介護・家事などで食事のタイミングが不規則になりがち。早食い・遅い夕食・過度なカフェイン・アルコールなどが、胃腸への負担を加速させます。 - 隠れた「体の不調」が背景にあるケースも
機能性ディスペプシア(機能性胃腸症)、逆流性食道炎、ピロリ菌感染、甲状腺機能の異常などが背景にある場合、更年期以外の要因が症状を強めていることも。必要に応じて消化器内科の検査(内視鏡・ピロリ菌検査)との連携も行います。
利用者の声
「胃腸科で異常なしと言われたけど、症状は続く」「以前は好きだった食べ物が受け付けない」「胃薬を飲んでも変わらない」——こうしたご相談が多く寄せられます。消化器の症状は「胃腸科」で診てもらうのが一般的ですが、内視鏡で異常が見つからない「機能性ディスペプシア」と診断されることが多く、明確な治療方針が定まらない方も少なくありません。
ビバエルでは、更年期のホルモン変動と自律神経の関連から症状を捉えます。「胃腸だけを診る」のではなく、ホルモン・自律神経・食生活・ストレスまで包括的にアプローチすることで、症状の緩和が期待できます。
当院の治療例
Aさん
お悩み:
体が急に熱くなるとともに吐き気があり、気持ち悪くなる不安から食事がうまく摂れない状態でした。
治療方針:
問診では、ホットフラッシュと吐き気が同時に起きるタイミング、食事が摂れない頻度や程度、精神的な不安感の有無を確認しました。ホルモン変動による自律神経の乱れが胃の動きに影響していると判断し、消化器症状に対応した漢方薬(胃の動きを整えるもの+自律神経を落ち着かせるもの)を2種類処方しました。栄養行動療法で食事のタイミング・食事量の調整も並行して進めます。
診療の進め方:
継続的な診療を通じてホットフラッシュ・吐き気・不安感などの変化を確認しながら、漢方薬の組み合わせや量の調整、食事内容・食習慣の見直しを行っていきます。
※症状の程度・治療の反応には個人差があります。
なぜ、薬だけでは足りないのか
「胃もたれ・吐き気」の背景には、ホルモンの変化だけでなく、食生活のリズム、ストレス、思考の癖、食に対する不安など、いくつもの要因が重なっています。
ホルモンのゆらぎには、お薬が届きます。しかし、食事のタイミングや量、ストレスとの向き合い方、食に対する予期不安には、お薬だけでは届きません。だから、胃薬を飲んでも「症状が繰り返す」「食べるのが怖い」ということが起こりやすいのです。
ビバエルでは、薬に加えて、食事・生活・心まで含めた"あなた全部"を診ることを大切にしています。栄養行動療法で消化に負担の少ない食事の工夫を一緒に整え、CBT ベースのカウンセリングで食に対する不安・ストレスとの向き合い方も一緒に整理していきます。
消化器の不調こそ、栄養行動療法の出番
胃もたれ・吐き気・食欲不振などの消化器の不調は、「何を食べるか」「いつ・どう食べるか」「食事の環境や気分」に直結する症状。だからこそ、ビバエルの栄養行動療法(Behavioral Nutrition)が最も力を発揮しやすい症状の一つです。
栄養行動療法は、東京大学・佐々木敏教授の『行動栄養学』にもとづくビバエル独自のプログラム。「何を食べるか」だけでなく、「いつ・誰と・どんな気持ちで・どんな環境で食べるか」まで含めて、初めて栄養は健康に届くという考え方です。
「正しい情報」より、「続けられる仕組み」を。栄養行動療法の4本柱:
- 目標設定:健康になった先に「やりたいこと」を明確にする(受診の動機づけを維持)
- セルフモニタリング:食事記録アプリで、毎日の食べ方・タイミング・気分を記録
- フィードバック:月1回50分のセッションで、看護カウンセラーが一緒に振り返り
- 具体的な方法の提示:「1週間単位でバランス」「チョイ足し栄養補給」「欠食をなくす」「食事を楽しむ習慣に」等の実践的な工夫
特に、以下のような方に栄養行動療法が向いています:
- 胃薬を飲んでいるのに、いまひとつ実感が薄い方
- 検査では大きな異常がないのに、不調が続く方
- 食後の胃もたれ・吐き気・食欲不振が繰り返し起こる方
- 食事のタイミング・内容が不規則になりがちな方
行動栄養学が教えるのは、「意志の問題ではなく、仕組みの問題」だということ。食行動の変容には、知識の提供だけでなく、継続を支えるフォローアップが不可欠です。ビバエルでは、栄養・心理・看護の各専門職が連携し、あなたの食行動の「続けられる仕組みづくり」を一緒にサポートします。
日常ケアのポイント
毎日の生活の中でできるケアは、症状の緩和と予防に役立ちます。無理のない範囲で少しずつ取り入れてみましょう。
- 少量ずつ・回数を分けて食べる:胃の負担を減らすため、一度に食べる量を減らし、1日4〜5回に分けるのも効果的
- よく噛んでゆっくり食べる:早食いは胃への負担大。一口 30回を目安に、消化を助ける唾液の分泌を促す
- 就寝2〜3時間前までに食事を終える:横になる時に胃に食物が残っていると、逆流や胃もたれの原因に
- 脂っこい・辛い・刺激の強い食べ物を控えめに:胃の粘膜への刺激を減らす
- カフェイン・アルコールを控えめに:どちらも胃酸の分泌を刺激し、胃粘膜の血流も変化させます
- 「腹式呼吸」で副交感神経を優位に:食前の深呼吸で消化モードに切り替える
- 体を冷やさない:冷えは胃腸の動きを鈍くします。腹部を温める習慣を
オンライン診療だからこそできること
「胃腸科で異常なしと言われた」「症状が続くのに何を試せばいいかわからない」——そんな気持ちを抱える方も多くいらっしゃいます。当院のオンライン診療は、こうした「胃腸だけの問題ではなさそうだけど、どこで診てもらえばいいか分からない」状態にこそ向き合うための場所です。
ご自宅の落ち着ける環境から、看護カウンセラーとじっくりお話しいただけます。40分の対話の中で、食事のパターン・症状のトリガー・ストレスとの関連まで一緒に整理していきます。専門医と連携しながら、必要に応じて漢方・HRT の処方も検討します。栄養行動療法アプリでのセルフモニタリング、月1回50分のフィードバックセッションで、食習慣まで含めた包括的なケアが可能です。
また、LINE無料相談から気軽にご相談いただけます。「胃薬を飲むほどではないけど気になる」段階でも、まずは話してみることで、次の一歩が見えてくることがあります。症状が長引く場合や検査が必要な場合は、消化器内科との連携もご提案します。
更年期の胃腸トラブル、"あなた全部"を診るケアへ
「胃腸が弱くなった」「気のせいかも」と諦める前に。更年期の消化器症状は、ホルモン変化と自律神経の関連から捉えることで、専門的なケアの方向性が見えてきます。
ビバエルは、ホルモン治療・漢方・栄養行動療法・CBT ベースのカウンセリングを組み合わせた、あなた専用のケアプランをご提案します。医師と看護カウンセラーが2職種で連携し、体・食生活・ストレスまで、一緒に整えていきます。「食べることが楽しめる日々」を、ここから一緒に取り戻してみませんか?
更年期の症状、通院しなくても相談できます
オンライン完結・全国対応。初回40分、専門医療者が丁寧にお話を聞きます。
更年期の胃もたれ・吐き気に関するよくある質問
Q. 更年期でも胃腸科で検査を受けるべきですか?
A. 以下のいずれかがある場合は、まず胃腸科・消化器内科での検査をおすすめします:(1)40歳以上で新しく発症した症状、(2)体重減少や食欲不振が続く、(3)貧血・血便・黒色便がある、(4)飲み込みが困難、(5)家族に胃がん・大腸がんの既往。上記に該当しない機能性の症状(機能性ディスペプシア)であれば、更年期のホルモン変動が関与している可能性が高いため、婦人科・更年期外来での評価も併せて検討してください。
Q. HRT で胃もたれ・吐き気は改善しますか?
A. HRT は自律神経のバランスを整えることで、更年期の消化器症状の緩和が期待できる治療の一つです。特にホットフラッシュや動悸と同時に吐き気が起こるパターンでは、HRT により自律神経の過敏化が落ち着き、間接的に消化器症状も軽減することが報告されています。ただし、消化器症状のみが主訴の場合は、漢方薬の方が優先されることも。専門医と相談のうえで判断します。
Q. どんな漢方薬が使われますか?
A. 消化器症状のパターンや体質に応じて、以下のような漢方薬が選択されます:(1)六君子湯:食欲不振・胃もたれの代表方剤、(2)半夏瀉心湯:ストレス性の胃もたれ・吐き気、(3)安中散:慢性的な胃の痛み・胃酸過多、(4)胃苓湯:水分の停滞感を伴う症状、(5)半夏厚朴湯:喉のつかえ感・不安を伴う吐き気。専門医が症状パターンと体質を見立てて選択します。
Q. 「機能性ディスペプシア」とは何ですか?
A. 内視鏡検査などで明らかな異常が見つからないのに、胃もたれ・食欲不振・食後の不快感などが慢性的に続く状態を「機能性ディスペプシア」と呼びます。成人の10〜20%が経験する頻度の高い状態で、特に女性に多く、ストレス・自律神経の乱れ・胃の動きの異常が関与すると考えられています。更年期のホルモン変動と重なる時期に発症・悪化することも多く、HRT・漢方・生活改善の組み合わせが有効です。
Q. セルフケアでできることは?
A. 以下のような一般的な生活習慣が推奨されています:(1)少量ずつ・回数を分けて食べる(1日4〜5回)、(2)よく噛んでゆっくり食べる(一口30回)、(3)就寝2〜3時間前までに食事を終える、(4)脂っこい・辛い・刺激の強い食べ物を控えめに、(5)カフェイン・アルコールを控えめに、(6)食前の腹式呼吸で副交感神経を優位に、(7)体を冷やさない(腹部を温める)。ストレス管理(マインドフルネス・軽い運動)も、脳腸相関の観点から有効です。
Q. 病院に行くべきサインは?
A. 以下のいずれかは速やかに消化器内科の受診をおすすめします:(1)体重減少(意図しない3kg以上/半年)、(2)血便・黒色便・吐血、(3)飲み込みが困難、(4)貧血、(5)40歳以上で新規発症の症状。上記に該当せず、更年期症状(ホットフラッシュ・月経の乱れ・気分の波)を伴う機能性の症状であれば、婦人科・更年期外来での評価が有効です。ビバエルでは、必要に応じて消化器内科との連携もご提案します。

高宮城 直子 MD(産婦人科専門医)
産婦人科専門医・女性ヘルスケア専門医・メノポーズカウンセラー。佐賀医科大学(現佐賀大学医学部)卒業。同大学産婦人科教室入局後、琉球大学医学部産婦人科学教室、糸数病院・ウイメンズクリニック糸数勤務、米国コーネル大学医学部生殖医学センターへ留学。2010年、Naoko女性クリニック開業。2022年、ビバエル(HerLifeLab株式会社)を共同創業。メディカルアドバイザーとして、科学的根拠に基づいた更年期医療の普及に取り組む。
【経歴】
1986年 佐賀医科大学(現:佐賀大学医学部)卒業、同大学産婦人科学教室入局
1987年 琉球大学医学部産婦人科学教室入局
1990年 同大学医学部産婦人科学教室助手
1992年〜2008年 糸数病院・ウイメンズクリニック糸数勤務
1995年〜1996年 米国コーネル大学医学部生殖医学センター留学
2010年 Naoko女性クリニック開業
2022年 HerLifeLab株式会社(ビバエル)共同創業
【認定資格】
産婦人科専門医
日本女性医学学会認定 女性ヘルスケア専門医
更年期と加齢のヘルスケア学会 九州世話人 およびメノポーズカウンセラー
女性ヘルスケアアドバイザー
女性医療ネットワーク 理事
日本女性財団 共同発起人・理事・フェムシップドクター