更年期にあらわれる関節の痛みとこわばり
動かすたびに痛い——その違和感は、更年期のサインかもしれません。
「最近、手がこわばる」「膝が痛い」「朝起きると関節が動かしにくい」
こうした変化は、更年期にみられることの多い症状のひとつです。
ホルモンバランスの変化によって、それまで気にならなかった関節の痛みやこわばりが現れることがあります。
「リウマチでは…?」と不安になる方も少なくありませんが、まずは専門家に相談することで、原因を丁寧に確認し、安心して適切なケアを始めることができます。
最近こんな変化を感じていませんか?
- 朝、手や指の関節がこわばる
- 階段の上り下りで膝が痛む
- 全身の関節が重く、動かしにくい
- 掃除や料理などの動作で痛みを感じるようになった
なぜ起きるの?
女性ホルモンの低下で進む関節の乾きと痛み
閉経前後にエストロゲン(女性ホルモン)が急激に減少すると、関節や筋肉の柔軟性を保つコラーゲンが減少します。
また、関節を保護する滑液(関節の潤滑液)の分泌も減ることで、動かすたびに摩擦や炎症が起こりやすくなります。
さらに、エストロゲンには抗炎症作用もあるため、減少によって「軽い炎症が慢性的に起こる」状態になり、痛みを感じやすくなるのです。
ビバエルユーザーの声
「手のこわばり」や「膝の痛み」で相談される方は少なくありません。
朝や寒い時に手先がしびれる、手首や指の関節がこわばる、肩や股関節が痛むなど、全身の関節や筋肉の痛みに悩む方が多く見られます。中には、「全身が強ばって動きにくい」「寝起きがつらい」と感じる方もいます。
一方で、再診時には「関節の痛みが軽くなった」「朝のこわばりが減った」といった声も多く、約半数の方が1〜3か月の間に改善を実感しています。
ホルモン補充療法や漢方、生活改善を組み合わせることで、痛みのない日常を取り戻す方が増えています。
ビバエルの治療例
Aさん
お悩み:
母親の介護や仕事の両立で心身ともに疲弊。
直近1週間で膝・肘・手首・足首に強い痛みが出現している。
全身の倦怠感、不眠、発汗、イライラ、落ち込みもある。
治療方針:
リウマチや炎症反応は陰性。
未閉経でがん検診未受診のため、ホルモン補充療法(HRT)の処方は見送り。
気分の変動と関節痛に対して漢方薬を処方し、まずは体調の安定を優先。
関節への負担を減らす生活の整え方や、栄養改善、休養の確保を指導。
経過の目安:
1〜2か月で体の痛みが軽減し、気分の波も落ち着いている。
がん検診後に、HRTの導入を検討中。
※個人差があります
Bさん
お悩み:
手指の関節痛が1年間続いているが、整形外科では異常なし。
顔の発汗・手のほてり・倦怠感があり、仕事が終わりると、ぐったりと疲れている状態。
治療方針:
血液検査で炎症反応が陰性だったため、更年期性関節痛と判断。
低用量のエストロゲン製剤(経皮パッチ)によるホルモン補充療法(HRT)を開始。
併用で漢方を用い、睡眠リズムと体力回復をサポート。
経過の目安:
HRT開始から1か月で朝の手指のこわばりが軽減。
3か月後には倦怠感・発汗も落ち着き、仕事の集中力が戻る。
Cさん
お悩み:
ストレスから、関節痛・灼熱感・ピリピリ感・冷えが出てきている。
別途、リウマチ膠原病内科で治療中。
治療方針:
リウマチ性炎症は安定しているものの、更年期症状が見られる。
睡眠改善薬とホルモン補充療法(HRT)を併用し、ストレスへの対処と自律神経の安定を目指す。
経過の目安:
睡眠薬とカウンセリングの併用により、1〜2週間でストレスレベルが低下し、眠れるように。
3週間目で身体のピリピリの頻度が減り家事ができるようになった。
※個人差があります
ビバエル専門医のコメント
関節痛と聞くと、リウマチや整形外科の病気を心配される方が多いですが、更年期のホルモン変化によるケースもよくあります。
血液検査で炎症反応や抗CCP抗体を確認し、リウマチが否定された場合は、ホルモン補充療法(HRT)で改善する可能性があります。
私自身も手の痛みを感じ、HRTを始めて痛みが取れた経験があります。
日常ケアのポイント
運動不足を避け、軽いストレッチで関節を柔らかく保ちましょう。
体を冷やさないよう、特に手足を温めることが大切です。
バランスの良い食事と十分な睡眠で、炎症を抑える体づくりを意識しましょう。